September 19, 2004

インソムニア

 しばらく前にインソムニアという名前の映画があった。インソムニアとは不眠症のこと。ふと図書館で借りたS Kingの本がインソムニアだったので原作かな?と思ったけれどまったく関連がないようだ。キングの作品には典型的な共通事項があると思う。それは
1 精神的な怖さである。2 最後は爆発などで破壊される。3 エピローグが長い。4 重要人物が死ぬ。
といったところだろうか。

 インソムニアは当然すべてをクリアしている。ホラー作家として有名だけれど、事件を最後の爆発まで持っていく手腕はパターン化しているとはいえ、いつもおもしろい。エピローグが長くて爆発の後どのような生活が訪れたのかもよくわかる。爆発して終わってしまう小説もこの世には多いのでキングはおもしろい。そしてもっとも気に入っているのは重要人物が死ぬということ。ハリウッド映画を見ていると、こいつは死ぬ、こいつは生き残るというのが役によってすぐにわかるのだがキングの場合はええ、この人が死んでしまうの?という驚きがある。スターウォーズでヨーダが死んだ時くらいの驚きがある。しかもあっさりと死んでしまうのだ。この肩透かしを食らわせといてそこには伏線がたくさんあるというのがキングの手法だったりもする。

 読書の秋、秋の夜長に読むならばザ スタンド、ITといった長編はいかが?文句なしにおもしろいです。ところで不眠症、ほとんど経験ないけれど毎日だと辛いだろうなあ。

今日読み終わったのは、Stephen King[不眠症-インソムニア]

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September 12, 2004

2001年宇宙の旅

 おもしろい本だった。メジャーすぎてあえて手に取らなかった本だけれどふとした拍子に読んでみてよかった。図書館でシュトラウスのツァラトゥストラはかく語りきを借りてそれをBGMにして読み始めるというなんともそのまんまのことをしたけれど。

 2001年は映画で見ていた。見たといっても兄が見ているのを横でちらちら見ていた程度。SFは怖かったから。ヒトザルが骨を手にしたところとHALが反乱を起こすことは何となく記憶にあったけれど。そうかそうか、終わりはそうなっていたのか。これは映像化しにくいといわれるわけだよ。1968年に書かれた本だけれどさすがはアーサー クラーク。科学知識でも大きく破綻している箇所はないように思えた。キューブリックの映画版ももう一度見てみようかな。ストレンジラブも見たくなってきた・・・。ちなみに続編である2010年宇宙の旅は駄作であるという評価が固まっているので触れないことにする。

今日読み終わったのは、アーサー クラーク[2001年宇宙の旅]

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August 08, 2004

呪いに対して

これから先の文は、一つ前のエントリ「呪い」を読んでしまった人だけに読んでほしい文です。いいたいことはそれだけです。

さて、前回のエントリを読んだあなたは好奇心が旺盛ですね。それとも怖い話が好きなのでしょうか。長々と書きましたがあの話はまったくの創作です。そう簡単に呪いなんてあるわけないし、呪われたくもありません。

呪いということをもう少し考えてみましょう。安倍清明もいっているように呪いや呪縛とは関連付けがされているかどうかということ。自分の名前が時に自分自身よりもその人をあらわすことがあるように、実態のないものが意味を持つ。それを利用したのが呪い。

「水の滴る音は、そのひと音が死を少し近づける」
これはまったくのホラ話ですが、あなたは完全にこの話を忘れることはできない。人間は忘却という能力を備えているが、多くの場合自律的にその能力を発揮できない。
「水の滴る音は、そのひと音が死を少し近づける」
読めば読むほど意識に刻まれてしまう。

太陽の下でこの話を思い出すことはないでしょう。
しかし病院で点滴の管を滴り落ちる水滴を見ることはあるでしょう。山里の温泉で夜にふと目を覚ましたときに、わずかに流れる川の音を聞くかもしれません。急に暗い雲に襲われて夕立を雨宿りしているときの水音を聞いたことのある人は多いでしょう。
そうです、そんな時に限って思い出してしまうんですよ。人間の脳は。
「水の滴る音は、そのひと音が死を少し近づける」

水音1つに対して、7秒ほど死期が早まるのだと僕は聞きました。

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August 07, 2004

呪い

暑い日が続きます。今日は呪いの話。
続く話は読むと生命に何らかの影響がある可能性があるという呪いです。
この呪いを祓う方法を僕は知りませんし、多分ないのでしょう。
怖い話ではないのですが、好きでない人は決して読まないで下さい。
この先を読むという行為は完全な自己責任の元に行ってください。

どうやら僕は呪われた。あなたにもわけてあげましょう

僕は神社へと続く山道を登っていた。舗装はされていないがコンクリートブロックで階段が築かれている。山の頂上付近に稲荷神社がある。そう、京都の伏見稲荷のように登山道は延々と鳥居がたっており、歩いている道は荒縄に白い和紙がついており結界の内側であることがわかる。

日が傾き始めた頃に登りはじめてしまったのを少し後悔するような森だった。先行する人がいるとわかったのは中年男性の整髪料の匂いを感じたから。ここでベトナム戦争の話を思い出した。亜熱帯のジャングルでアメリカ兵にとってもっとも身近な脅威は自然。そう小さな傷でも化膿させると命に関わる。だから清潔が何よりも大切。足を乾かし可能な限り風呂に入る。しかしベトナムに長くいる兵士は風呂で石けんを使わない。ベトコンは石けんの匂いを嗅ぎつけて待ち伏せするからだ。僕は中年男性のおかげでベトコンの気分だった。ということは彼はアメリカの新兵か。ここで殺人があってもそうそうは見つかりまい、そんな妄想をしていると中年夫婦は一人の僕に注意を傾けているのがわかる。若さを自慢しながら、そうそうに抜き去ることにした。


いくつもの鳥居といくつかの小さな社を通り越し、奥の院への最後の鳥居が見えた。最後の鳥居は石でできているなかなか重厚なものだった。ゴールが見えたことと、後ろに中年夫婦の気配がないから安心して休憩を取ろうと思った。
最後の鳥居をくぐった瞬間、声が聞えた。
「水・・お・・そ・し・・け・」
聞えたといっても鼓膜の外から聞えたのではなく、鼓膜の内側、そう耳の内側に直接響く声だった。突然のことで体が止まった。右足は境内に入り左足はまだ最後の階段を踏んでいる。無意識に耳を澄ませると確かな日本語が聞えた。「水の滴る音は、そのひと音が死を少し近づける」

鳥肌が立つのがわかった。

今日は何も聞えない、何も読めない。

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July 04, 2004

最近の書評

「論理パラドクス 論証力を磨く99問」三浦俊彦 二見書房(2002)
 これはおもしろい本だった。大学で論理学を受講したのを思い出した。
言葉の裏にあるものが論理的な考え方でわかってくる。哲学にも近い学問で
自分を自分たらしめるのは肉体?精神?という話が特におもしろかった。

「デブの帝国 FATLAND」グレッグ クライツァー 竹迫仁子訳 バジリコ株式会社
 今の時代に帝国といえばそれはアメリカのこと。アメリカがデブ帝国になった
理由はコーンシロップとパーム油が安く精製できるようになったことに直接の
原因があるようだ。人間は適量以上の食物でも与えられたら食べてしまうようだ。
まるで犬のパグだね。

「睡蓮の午後」辻 邦生 福武書店(1990)
 僕は「つじほうせい」かと思っていた。「つじくにお」が正解。初めて読んだんだ
けれど、ちょっと印象が薄い。ただ句読点を つかわない書き方は まるで英語の
ようで 英語はとピリオドを使うけれど 辻はそれさえも使わない おもしろい
文章がどこで終わっているか 正確にはわからない 読み手に委ねられているのだとわかる

「失われた森 レイチェル カーソン遺稿集」レイチェル カーソン 集英社(2000)
 「沈黙の春」で有名なカーソンの遺稿集。雑誌、テレビ、講演会で発表された文章を
まとめたもの。「沈黙の春」と「センスオブワンダー」と「われらをめぐる海」がこの本の
原典だなとわかる。ちょっと中途半端な感じがするんだよね。カーソンは悪くないけど。

「石けん・洗剤100の知識」左巻建男 稲山ますみ 東京書籍(2001)
 おもしろい本だ。石けんがいい、洗剤は有害だと決め付けるのではなくたくさんの
角度から分析している。どちらにも一長一短があるようだけれど、洗剤の方がメリットが
大きいというのが読書後の感想。親水基と親油基があるので石けんは油汚れが落とせます。
こういうことは知っていておもしろい。

「神曲 地獄篇」ダンテ 寿岳 文章訳 集英社 (1987)
 読むのにもっと忍耐が必要かと思ったらそもでもない。ギリシヤ神話、キリスト教、
当時のイタリア世界が生き生きとわかる。ダンテはビビリながらも詩聖ヴェルギリウスと
いっしょに地獄のそこから天国へ向けて旅をする。まだあと2作もあるのか、長い。

「浮く女 沈む男」島田雅彦 朝日新聞社(1996)
 乗った外国航路の客船がテロリストに乗っ取られ、という話。やっぱりおもしろい。
一生同じ物を食べつづけるなら何を選ぶ?という質問にマグロの刺身、ソバ、豆腐と
答える人があっておもしろい。僕なら何を選ぶだろう。


今聴いているのは、ドヴォルザーク[交響曲第9番 新世界より]クーベリック ベルリンフィル

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June 20, 2004

やけ食い

こんなやけ食いなんて可愛いものだ。
土曜日は午後から雨が降るというので、その前にプールに行こうと思って
13時前に家をでた。しかし、プールでは大会をやっている。高校生かな?
背泳ぎで25mを17秒で泳いでいた。僕のクロールよりも早い。

短時間でガシガシ泳ぐつもりだったのでかなり出鼻をくじかれた。
こういうときはスゴスゴ家に帰るか普段はしないことをするに限る、ということで
マクドナルドのマックグランを食べることにした。

頼んだのはマックグラン、アイスコーヒー、マックチキンナゲットのバリューセット。
飲み物をコーラかジンジャエールにしてKing of Junkfood Setにしようと思ったけど
暑かったのでやめた。これで660円くらいなのでマクドナルドは安くない。
味はというとアイスコーヒーがおいしくなっていた。以前はデフォルトで砂糖が
入っていたし香りなんてまったくなかったけれどそんなことはない。濃さもまずまず。
そしてマックグラン。パンはかなりおいしくなっていた。パティもちょっとは肉っぽい
味を感じられたけれどケチャップ、タルタルソース、マスタードの味付けがくどい。
やっぱマクドナルドテイスト。
CMはかなりオシャレになっているけれど味付けはオシャレじゃない。

ともあれ、久しぶりに行ったマクドナルド。
なぜいかないかというと安くないしおいしくないからだ。いたって単純。
ではなぜ行くのかというと食事に時間がかからないから。
藤田田 「勝てば官軍」』はおもしろいのかな?
勝てば官軍とはやな発想だ。最後に負けたおまえはどうなるんだ?ってツッコミたくなる。
Amazon.co.jpでの評価も分かれているけど、つまらなそうな雰囲気が濃厚だ。
ま、図書館でかりてみよーっと。

今読んでいるのは、小泉武夫「不味い!」

Posted by hidk at 11:29 AM | Comments (0) | TrackBack (1)

June 15, 2004

世界の中心で、愛をさけぶ


「世界の中心で、愛をさけぶ」 片山恭一

このタイトルはハーラン エリスンの『世界の中心で愛を叫んだけもの』
「The Beast that Shouted Love at the Heat of the World (1971)」のパクリらしい
のだが、この程度のパクリは許される。目くじらを立てておこってはいけません。

しかし、この本のつまらなさは一体なんだ!映画化されて、ロケの行われた防波堤(たしか岡山)には
カップルがたくさん押しかけている様子が新聞に載っていた。鴨川の寿司状態が超田舎の
堤防で再現されているさまは滑稽であった。
2004/06/16 訂正(ロケ地は岡山ではなくて香川県の庵野でした。堤防もそこにある。)

内容も単純で人物の心理描写も鋭くないので容易に読み進んでしまう。その快感が
ベストセラーになった理由の一つでもあるようだが、本自体はおもしろいとはいえない。
時間を損した!ってことは思わなかったけれど村上春樹と池澤夏樹を足して5で割った感じだ。
ドラマの放送は7月の様子。
Amazon.co.jpでは酷評が多いけどTVで批評を聞いたことがない。みな長いものに巻かれたのだろう。
そういえばこのサイト経由でAmazon.co.jpで買い物をしてくれた人がいた。おかげで50円の
収入(1500円になるまで支払われないが)です。どうもありがとう。

Posted by hidk at 11:32 PM | Comments (0) | TrackBack (0)

June 10, 2004

ググググギギギギギギ

このエントリは映画の呪怨、呪怨2の批評ですが著しいネタばれがあるので
それを了承してお進みください。

間違いない、これはB級ホラーだ。本来なら怖いシーンで笑ってしまった
というのがその証拠。呪怨はビデオで話題になって映画化された。
主役が奥菜恵で伊東美咲が出ていてたりしてなかなか豪華なキャスティング。
けれど伊東美咲は怖くなって布団に潜っていた。なんてお茶目なんだ。
みんながみんなビビッて腰を抜かして餌食になる。電話してないで早く逃げろよ、
といいたくなる。
呪怨2も音楽がオーケストラの効果音になったのとナメクジ女の血が激しくなった
位の違いしかない。結末もいまいち。B級と断言して間違いなし。

そもそも最近ホラー映画で怖いと思ったことはない。その理由に呪怨を見てすぐに
気がついた。映画は完全な虚構のなかでのみ成立しているから、リアリティを
まったく感じられないのだ。最悪なのはエンドロール。死んでいった者達の名前、
怪物を演じた人の名前、特殊メイクを施した人の名前、カメラを回していた人の
名前がすべて書いてある。ホラー映画の場合はその人たち全員に騙されているような
気がするのだ。
最新のSF映画のエンドロールを見てもこの人たちが作ったのかスゴイなと思う程度な
のにホラー映画に対してはちょっと厳しい。

ホラーだったら本の方がよっぽどおもしろい。騙すのは作者一人だし、映画よりも
リアリティの破綻が少ない。そして何よりも自分の想像力が援護射撃をしてくれるから。
白塗りの子供がベビーキョンシーに見えたのが一番ウケタよ。
特典映像で監督がいっていたが笑いが出るほどわざとらしい映像を心がけたのだと。
確かにナメクジ女が怖いかおもしろいかはわかれるところだろう。

今読んでいるのは、ダンテ[神曲 訳:寿岳 文章]

Posted by hidk at 10:23 PM | Comments (0) | TrackBack (0)